真核生物の6界(kingdom)分類

前回は、生物全体が分子時計を用いて3つのドメイン(domain)に分類されることを勉強しました。

今回は、真核生物のさらなる詳細な分類として、6界(kingdom)分類について紹介します。
真核生物の6界分類は、2005年の国際原生生物学会会議( International Society of Protistologists)から提案されました。これには、Thomas Cavalier-Smith(1942 - )の成果が大きく取り上げられています。
この6界分類の中で注目すべき点は、真核生物を細胞に付属の鞭毛の数によって、1鞭毛類(Unikonta)と2鞭毛類(Bikonta)に大きく分けたことにあります。
古くから、真核生物全体を鞭毛によって分類する考え方はあったそうです。しかし、"分ければ分けられるだろうが、進化の過程や系統的な分類にかかわる根拠が薄弱で、意味あることかどうかわからない"と考えられてきたそうです。
しかし、ゲノムプロジェクトが進展し、様々な真核生物のゲノム配列が判明する中で、このような鞭毛の数による分類が妥当であることが支持されたそうです。
私たちヒトは後生動物 : metazoaに分類されます。metazoaはさらにunikontaに分類されることが下図からわかります。私たちの細胞で鞭毛をもつ代表的な細胞は精子ですが、確かに鞭毛は一本です。
ちなみに6Kingdomの各々のグループ(下図で色づけされたもの)をスーパーグループ super groupと呼ぶそうです。


【参考文献】
井出利憲「分子生物学講義中継 生物の多様性と進化の驚異」羊土社 2010 97 - 100pp

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