制御工学の導入

###制御とは###
一言で言うと、ダイナミックスを持つ対象に対して、目的に向けた影響力の持続的行使を行うことといえる。

###基本用語###
・制御量
制御したい量。望ましいふるまいをさせたい量。大抵の場合、特定の物理量になる。

・操作量
制御のために操作する量。

・基準量
制御量のの望ましいふるまいを定量的にあらわしたもの。


###二つの制御アルゴリズムの決め方###
・モデルフリー制御
一つの制御系の実際の動きをみながら、制御器の可変なパラメータを調節していくやり方。直接調節による設計。30年前まではモデルフリー制御が制御の主流でした。なぜなら、試行錯誤でも使用を満たすことができたからだそうです。しかし、対象が複雑になり、要求される性能が高くなるにつれて、基幹となる制御系では次第にモデルベーストが使用されるになりました。モデルフリー制御の汎用方式にはPID制御と呼ばれるものがあります。P:比例、I:積分、D:微分の三項からなるアルゴリズムの形を与えてパラメータを調節していく方法だそうです。

・モデルベースト制御
制御対象を解析してそのモデルを求め、モデルにもとづいて理論的に制御器を導き出す方法。理論を用いた間接的な設計。モデルを作るには、対象の物理、化学的な属性を考え、対象が従う自然法則に基づいてモデルを作る場合もありますが、そのような対象の物理的な属性とは別の観点からモデルを求めることも多いそうです。

###モデルベースと制御とシステム同定(System Identification)###
モデルを立てるときに、制御対象の物理的な属性ではなく、入力と出力の信号解析からモデルを作る制御理論。これまで得られたたくさんの運転データから、制御対象が従う法則を導きだすことを目的としてます。システム同定を行う目的で、最小二乗法をはじめとした様々な数学的手法が研究されました。



【参考文献】
木村英紀『制御工学の考え方』講談社 2002 56 - 73, 114-120pp