母分散の判明していない正規分布からのサンンプルを用いた母平均の区間推定







































#Rを用いて、自由度dfが大きいときのt分布がz分布(平均値0, 標準偏差1の正規分布)に
#近似が可能なことを視覚的に理解する。
png("z-t.png")
curve(dt(x,df=9), from = -4, to = 4,col = "blue", main="red : z distribution(mean=0, sd=1),  blue : t distribution(df = 9)")
curve(dt(x,df=6), from = -4, to = 4, add=T)
curve(dt(x,df=3), from = -4, to = 4, add=T)
curve(dnorm(x, mean=0, sd=1), add=T, col = "red", lty=5)
dev.off()






















#######数式のソースファイル#############

% t.tex
\documentclass[a4j]{jarticle}
\usepackage{amsmath}
\begin{document}
これまでは母分散$\sigma^2$が既知である場合の標本平均$\bar X$について考えてきました。
しかし、実際の場面ではこのようなことは起こりえない。
従って母分散が不明の場合に母平均の区間推定を行う場合は、
$\sigma^2$の点推定値である$s^2$を用いた理論構築が必要となる。
正規分布$N(\mu, \sigma^2)$からのサンプルの標本平均は正規分布$N(\mu, \sigma^2/n)$に従い、その標準化したものは、
\begin{eqnarray*}
Z = \frac{\bar X - \mu}{\sqrt{\sigma^2/n}}
\end{eqnarray*}
である。$Z$は$N(0,1)$の標準正規分布に従う。ここで$Z$の形式を参考にして、以下のようにして統計量$t$を新たに定義する。\\
\begin{eqnarray*}
t = \frac{\bar X - \mu}{\sqrt{s^2/n}}
\end{eqnarray*}
この統計量$t$をスチューデントの$t$統計量 Student's t-statisticと呼ぶ。
$t$統計量は、自由堂$n-1$の$t$分布$t(n - 1)$に従う。
信頼係数$1 - \alpha$が与えられたならば、
\begin{eqnarray*}
P(- t_{n-1}(\frac{\alpha}{2}) \leq t  \leq  t_{n-1}(\frac{\alpha}{2})) = 1 - \alpha \\
P(- t_{n-1}(\frac{\alpha}{2}) \leq \frac{\bar X - \mu}{\sqrt{\frac{s^2}{n}}}  \leq  t_{n-1}(\frac{\alpha}{2})) = 1 - \alpha \\
\end{eqnarray*}
左辺内の括弧内を$\mu$について解くと、
\begin{eqnarray*}
P(\bar X - t_{n-1}(\frac{\alpha}{2}) \cdot \sqrt{\frac{s^2}{n}} \leq \mu  \leq \bar X + t_{n-1}(\frac{\alpha}{2}) \cdot \sqrt{\frac{s^2}{n}} ) = 1 - \alpha
\end{eqnarray*}
従って、母平均$\mu$の信頼係数$1 - \alpha$の信頼区間は
\begin{eqnarray*}
[\bar X - t_{n-1}(\frac{\alpha}{2}) \cdot \sqrt{\frac{s^2}{n}} \leq \mu  \leq \bar X + t_{n-1}(\frac{\alpha}{2}) \cdot \sqrt{\frac{s^2}{n}}]
\end{eqnarray*}
となる。\\
\\
【例】製品の精度・強度(河田、丸山、鍋谷) 座金の製造工場において、ある日作られた座金の中から、100個を抽出してその厚さを測定したところ、
$\bar X = 2.346, s=0.047(mm)$であった。母平均$\mu$の信頼係数$90\%$の信頼区間を求めよ。\\
サンプル数が十分に多いため、t分布は標準正規分布に近似できるので、
\begin{eqnarray*}
t_0.05(100 - 1) \sim Z_0.05 = 1.645
\end{eqnarray*}
となる。したがって、$\mu$の信頼区間は
\begin{eqnarray*}
2.346\pm 1.645 \cdot \sqrt{0.047^2 / 100}
\end{eqnarray*}
となり、$[2.338,2.354]$となる。 
\\【参考文献】\\
東京大学教養部統計学教室(1991) 『統計学入門』 東京大学出版 201,202, 226pp.\\
松原望(2007)『入門 統計解析 医学・自然科学編』東京図書 102 - 104pp.\\
馬場敬之 久池井茂『確率統計』マセマ 171,172pp
\pagestyle{empty}
\end{document}

###########ここまで#############