症例対症研究とオッズ比

症例対照研究(case - control study)は別名, 後ろ向き調査(retrospective study)と呼ばれ、コホート調査とは逆に『患者群と非患者群についき原因と思われる因子を有する割合を比較するもの』です。対照群を身長に設定することが肝となります。
調査対象者から因子の有無を調査し、以下に示すような2×2分割表を作成してオッズ比の計算を行うのが流れとなります。下の表では肺癌と喫煙の関係性について調べることを目的としています。

オッズ比というのは、患者群、コントロール群の二つのグループでそれぞれの因子(喫煙)の有無に関するオッズを計算し、それらの比を取った物です。
(A/C)/(B/D) = AD/BC

対照群は任意に設定されるため、下の表における A/(A + B)やC/(C + D)といった計算がナンセンスであることに注意が必要となります。A + BやC + Dの計算することに意味があるのは、『喫煙している集団と喫煙していない集団』を想定してしまうことになり誤りです。

前向き試験であれば、A + Bや C+Dを計算することに関して意義があります。この場合は、原因(喫煙)を先に入手して、結果(肺癌の発病の有無)を後から確認するからです。症例対照研究では、結果を入手してから原因を調べるため、このようなロジックは通用しません。

症例対照研究では、オッズ比を相対危険(Rerative Risk)と解釈します。


【参考文献】
古川俊之 丹後俊郎『医学への統計学』朝倉書店 1993 4 - 5pp